上水道の給水方式は、受水槽を経由せず住宅等の給水用具(蛇口等)に配水管等の水圧・水量で直接給水する直結給水方式と、配水管等から各建物内などに設置されている給水用具(蛇口等)との間に受水槽という水槽を設けて、加圧ポンプ等により給水する受水槽方式とがあります。
また直結給水方式には、直結直圧方式(一般の住宅などはこの方式)と直結増圧方式(受水槽は設けず、増圧ポンプを設置して給水を行う方式)があります。
- 3階建て建物への直結直圧方式は、戸建て住宅(2世帯住宅を含む)、店舗または事務所併用住宅、事務所専用建物及び集合住宅(1日最大使用水量が12m³以下、または12戸以下の建物)が対象です。
- 直結増圧方式は、10階建て以下の集合住宅、店舗等併用集合住宅及び事務所専用建物等 で、1日最大使用水量50m³以下の建築物が対象です。
- 3階以上の直結給水に関しては上記の他、適用要件があります。また、事前協議が必要となりますので、詳しくは給水課給水係にご確認ください。
また、現在受水槽方式で給水を受けている集合住宅、事務所等の建物を直結給水方式に変更することもできます。こちらにおいても、適用要件等があります。
受水槽を設けない直結給水方式のメリットとデメリット
メリットは
- 衛生問題の解消
受水槽を設けないことにより、水槽内での水の滞留がなくなり残留塩素の確保が図れる。 - 省エネルギーの推進
受水槽方式では給水ポンプ等により加圧して水を送っているのに対し、直結給水では配水管の水圧を有効利用できるため、建築物内での動力費が節減できる。 - 設置スペースの有効利用
受水槽方式では受水槽や高置水槽および給水ポンプを設置するためのスペースが必要なのに対し、直結給水方式ではこれらの設置スペースが不要となる。 - 受水槽の点検・清掃が不要
受水槽の維持・管理に関しては、設置者又は所有者が毎年1回以上、点検・清掃を行うことになっていますが、これが不要となります。
デメリットは
- 水道管工事や増圧設備の故障時は断水
断水を伴う水道工事や漏水などによる修理工事が発生した場合、または増圧設備が故障した場合などには、すぐに断水や水の出が悪くなってしまいます。
このようなところは直結給水システムの適用除外となります。
- ホテル、病院など一時に多量の水を使用する建築物
- 常時一定の水供給が必要で、断水の影響が大きい建築物
- 薬品等の危険な化学物質を取扱う工場等
- 建築物における衛生的環境の確保に関する法律に規定する 特定建築物(※1)及び水道法
第3条第6項に規定する 専用水道(※2) - 受水槽方式のストック機能を必要とする施設等
(※1)特定建築物
興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物で多数の者が使用したり利用したりして、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるもの。
(※2)専用水道
寄宿舎、社宅、療養所等における自家用の水道その他水道事業の用に供する水道以外の水道であって、次の各号のいずれかに該当するもの。
(ただし、他の水道から供給を受ける水のみを水源として、その水道施設のうち地中や地表に施設されている部分の規模が政令で定める基準以下である水道は除かれる)
一、百人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの
二、その水道施設の一日に給水することができる最大の水量が政令で定める基準を超えるもの
- 直結給水システムについて詳しくは、「給水装置工事便覧」の、「10_3階建て建物への直結直圧式給水施行基準」「11_ 直結増圧式給水施行基準」のPDFファイルを確認いただき、給水課給水係までお問い合わせください。